国土交通省は2024年4月に、建築基準法に基づく「完了検査・中間検査」をリモート(遠隔)で実施するに当たっての必要事項や留意点などを示した「デジタル技術を活用した建築基準法に基づく完了検査等の検査者の遠隔実施に係る運用指針」を公表しました。この指針によって建設現場でのリモート検査の普及・促進を図り、働き方改革ならびに生産性向上に繋がることが期待されています。以下でポイントを詳しく解説いたします。
「完了検査」および「中間検査」とは?
建築基準法では「建築物について計画から使用開始までに必要な手続き(申請)」として「建築確認」「完了検査」「中間検査」が定められています。
■建築確認
建築主が建築物を建築する際に、基本的に*1必要となる申請のことです。建築基準法に適合する建築計画であるかどうかが審査され、建築基準法に適合する計画であれば【確認済証】が交付されます。【確認済証】の交付を受けなければ、工事に着手することができません。
■完了検査
建築主は、工事完了後に、建築確認を受けた図面通りに施工されているかなどについて完了検査を申請する必要があります。完了検査は原則、目視や計測機器(メジャー)による計測・動作確認にて行われますが、提出書類による検査も行われます。建築基準法の基準に適合していれば【検査済証】が交付されます。建築主は【検査済証】の交付を受けていない建築物を使用したり、使用させたりすることができません。
■中間検査
建築物のうち、主に3階建て以上の共同住宅などに義務付けられる検査です。定められた工程の完了後に行われ、合格すると以降の工程に着手することができます。
*1:一部適用除外となる建築物もあります。また、建築物以外の建築設備や工作物でも、建築基準法に従って建築確認の対象となるものもあります。
『リモート検査』の詳細
今回公表された指針における『リモート検査』の詳細は、下記の通りです。
■対象
主として戸建住宅および小規模な共同住宅の新築工事における完了検査・中間検査
(これ以外の建築物についても、指針の内容/要件に則って十分に検討・準備を行うことでリモート検査を実施可能)
■『リモート検査』の方法
検査者(建築主事または指定確認検査機関の確認検査員)が設定した検査補助者*2が現場から送信する映像および音声(検査補助者の管理下において検査対象部位などの撮影または計測を行う者から送信されるものを含む)ならびに受検者から提出された図書などにより検査を行います。また、受検者は現場にて検査に立ち会います。
■機器・Web会議システムなどの要件
今回の指針では『リモート検査』に必要な機器として、スマホ/タブレット/ウェアラブルカメラを挙げています。また、Web会議システムは、一般に普及ししているシステムだけでなく、独自に準備したシステムでも良いとされています。ただし、『リモート検査』に用いる機器・Web会議システムについては、検査機関などと受検者の間で事前に調整および確認することが必要になります。
この指針では、機器などに対する要件について、国土交通省が推進する遠隔臨場の実施要項*3と同等のスペックを必要としています。また、「撮影者の安全対策」「手振れ防止機能」「映像(特に検査書類など)の見やすさ」「暗所での撮影性能」 「個人情報保護(プライバシー)」にも考慮すべきとされています。
*2:完了検査などに係る一定の知識を有し、公正かつ客観的に検査を補佐することができる者として検査機関などが認めた者であれば、特に資格などは不要。
*3:「建設現場における遠隔臨場に関する実施要領」(案)令和5年3月」
『リモート検査』による課題解決
2024年4月からは残業規制も強化された建設業では、労働者の高齢化・働き手不足が顕著です。
『リモート検査』の導入で(従来の検査では検査者が必ず現地に行く必要がありましたが)検査補助者1人が現場にいれば、検査者が多くの現場を効率的に検査することが可能となります。これにより、移動時間の削減や作業効率向上、ひいては、現場の生産性向上や働き方改革に繋がることにもなります。
今、建設業での労働者の高齢化・働き手不足の対策に『リモート検査』が期待されています。
『リモート検査』も、Xacti で!
ザクティのウェアラブルカメラによる遠隔支援ソリューションは、より快適な『リモート検査』を実現するソリューションです:
1) リモート検査*4の機器要件・留意点に全て適合するほか、プライバシーにも配慮したAIモザイク機能も搭載
2) 強力な揺れ補正/水平維持・オートブライト/スーパーズームなどの独自機能で、検査者(見る側)は映像酔いなく(書類・暗所も含む)検査が可能
3) ヘルメット・作業帽に装着で、検査補助者(現場撮影者)は安全・ハンズフリー
各機能については、こちらをご確認ください。
さらに、ザクティの遠隔支援ソリューションの導入事例はこちら。
*4:参考(遠隔臨場と同等スペックとして):
『リモート検査(遠隔臨場)』に使われるカメラとWeb会議システムなどの性能は、国交省主導の『遠隔臨場』で示される以下の参考数値以上が必要になりますが、ザクティのウェアラブルカメラ(モバイルカメラ)は全ての要件を満たしています:
○画素数:640×480 以上(カラー)
○フレームレート:15fps 以上
○音声 マイク:モノラル(1チャンネル)以上
○スピーカー:モノラル(1チャンネル)以上
○通信回線速度 下り最大 50Mbps、上り最大 5Mbps 以上
○映像・音声 転送レート(VBR):平均 1Mbps 以上
ザクティでは『リモート検査』に最適なモデル・プランをご用意しています。
2024年問題対策パッケージ
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